転職で収入減…住宅ローンが払えなくて選んだ任意売却
平凡に暮らしていた我が家が住宅ローン地獄に突入し、それを抜けるまでの体験談です。
目次
転職がきっかけで住宅ローンの支払いが困難に…
3階建ての戸建て住宅に、私と妻、中学2年生の息子、小学5年生の娘、そして私の母親という家族構成。夢のマイホームを購入してから10年が経ったころ、平凡な生活がどん底へと突き落とされそうになったのです。それは、私の転職による収入減がきっかけでした。
大学卒業から勤務していた会社が業務を縮小することとなり、「今のうちに将来を見直さなければ…」と転職を決意。初めは、「転職して大丈夫なのだろうか?」という思いもありましたが、「このまま居続けても倒産するのではないか」という焦りも感じました。
夫婦でじっくり話し合った結果、転職を決めて前職を辞めました。退職金もあるし、失業保険も受給できる…、そんな悠長な考えだったのです。
転職先はすぐに見つかるだろうと簡単に考えていましたが、実際にはそう簡単にいきませんでした。給料を下げたくないと強気で選り好みをしたところ、まったく決まらずに数ヶ月も経過。
焦りを感じて、給料面で妥協して職探しをし、ようやく転職先が決まりました。でも、前職よりも10万円の収入減。しかも、小学生と中学生の育ち盛りの子ども達の教育費にもお金がかかる時期だったことも重なり、月々12万円の住宅ローンの支払いが厳しくなりました。転職から3か月ほどすると「住宅ローンに困った」と、毎日のように頭を抱えるようになったのです。
競売回避をしたい…そこで知った「任意売却」という方法
ついに滞納しなくてはいけないほど、支払いが困難に。「どうしたらいいのだろう…」と、銀行からの通知を放置してしまいました。何とかお金を工面できないものかと、自力で解決しようと考えてのことです。
困り果てた私は、法律関係に強い友人に相談してみました。そこで、「放置していると競売にかかる」と恐怖の一言が…。
これまで「競売」という言葉は聞いたことがありますが、実のところ、自分とは無縁と内容はよく知りませんでした。
競売とは、「滞納を何か月も続けた結果、強制的に家を奪われるものだ」と知ると、「なんとか競売回避をしたい」と強く感じました。
そこで、友人から「任意売却」という方法を教えてもらったのです。
任意売却は競売と似ているようで、まったく違うものでした。
競売は、市場よりも安く落札されたり、落札されれば強制退去、残債がたくさん…など、デメリットしかありません。「どうなるのだろう」という精神的ダメージもきついです。
でも、任意売却では、市場に近いような売却価格が期待できますし、次の引越し先へ移る時期など、こちらの要望も呑んでくれることが多いのだとか。
プライバシーも守ってもらえるので、近所の人に「競売で家を取られた」と知られることもないのがメリットに感じました。
私のようにすでに滞納をしているケースでも可能だと知り、早速、手続きを進めていくことにしました。
任意売却専門の不動産会社へ相談
「任意売却しよう」と考えても、自分一人ではまったく分かりません。
友人には、「住宅ローンに困ったら任意売却専門の不動産会社に依頼した方がいい」とアドバイスをもらいました。
銀行からの合意を取り付けたり、引っ越し費用の交渉など、任意売却には専門的な知識が必要です。
何より「スムーズに売る」ためには、これまで任意売却に専門的に関わってきた会社だからこそ、市場価格に近い売却が期待できるようです。
我が家は、任意売却専門の不動産会社に依頼し、ある程度余裕を持った時期に任意売却が成功しました。
残債の返済義務は残りましたが、給料や生活費、新しい引っ越し先の家賃などの状況を考慮してもらい、だいぶ負担が軽くなりました。
あのまま、競売にかかれば、家を失った後も多額の借金に苦しんでいたのだろうか…と、考えただけでも怖い気持ちです。
任意売却という方法を教えてくれた友人には、感謝しかありません。
任意売却前に迷った「リースバック」という選択肢
友人からは、住宅ローンに困ったらリースバックという選択肢もあると聞きました。
「家を売る」という点では、任意売却と同じですが、リースバックは第三者に買い取ってもらった後に、賃貸として住み続けることができると知りました。
ただ、リースバックの場合、リースバックの契約をしてくれる買主がいなければならないとのこと。何だか、私にはハードルが高そうなので、任意売却で進めることにしたのです。
一人で悩まず早めに相談を
私は任意売却でなんとかローン地獄を脱することができました。
ただ、任意売却にはタイムリミットがあるとのこと。ぎりぎりまで何もしなければ、選択肢が減ります。住宅ローンに困ったとしても、放っておけば競売のリスクが増えるだけではないでしょうか。
任意売却を体験したからこそ言えることは、「競売回避をしたい」という思いがあるなら、滞納を放置せずに早めに任意売却専門の不動産会社に相談すべきということです。